2017 松野四万十バイクレース

日本最長の長距離MTBレース 松野四万十バイクレース(MSBR)に参戦してきました。このレースは長距離MTBレースでありながら、2~4人でチームを組んで一緒に走行してゴールするというチームレースでもあります。
台風襲来と悪条件のなか、コースを大幅に変更しての開催となりました。
コースは変更になったものの定刻の5時30分に松野町 道の駅「虹の森公園」を一斉にスタート。SHIM0124
私達のチームはSDA in 王滝で毎回抜きつ抜かれつのレースをしている長野県白馬村在住の Vaughanさん、 Albertさんと私の三名の構成で挑みました。チーム名、『Team Hakuba Goryu』彼らの住んでいる場所にちなんだチーム名だ。DSC08953
レースで競い合うライバル達、お互いにどれだけの脚があるか分かっている。このチームなら状況によったら上位を狙えるかもしれない(上位を狙おう)と意気込んで参戦したのでした。SHIM0123
スタート直後、暫くは様子見のパレード走になるかと思いきや、チームメートの Albertさんが先頭を引き出した。私とVaughanさんも後を必死で追う。
このMSBRのルールとして、チーム纏まって走行することが条件となっている。バラバラに走っているところをオフィシャルにチェックされたらペナルティーが科されるのだ。私も時折先頭に出てグループ走行に徹する。
細い県道の山道に突入した。後ろを確認すると集団ははるか後方、バラバラになっていた。先頭グループは私達 Team Hakuba Goryu ナショナルチーム(世界戦MTBマラソンに挑んだメンバー構成、池田選手、門田選手、西山選手)の二チームになっていた。

私はスタート直後から飛ばし過ぎたのか私の調子が上がらない。まだまだ先は長いのでチームメイトに少しスピードを落としてもらうことにした。二人はもっと先を急ぎたがっていたが。

スタートして7km、標高400mの峠に到着。コースはここから3kmほど一挙に下る。深い森のなか。周囲はまだまだ闇夜に包まれ、路面も濡れていて最新の注意を払いながら下ってゆかなければならない。ガードレールなど無いのでオーバースピードでカーブに入り転倒でもしたら谷に転落する危険性がある。
ライトの照らす狭い範囲に目を凝らしながら慎重に下って行った。
下り切った所で、驚いた。
少し前を先行しているはずのナショナルチームに追いついたのだ。並走しながら尋ねるとライトが暗すぎてスピードが出せなかったそうだ。
ナショナルチーム、準備不足だな。。。
勝機があるかもしれない。
Team Hakuba Goryuチームメンバーは志を高く保つことができた。

今回最大の上りポイント目黒林道(6km、勾配6~7%)に突入。暫く並走していたもののナショナルチームに少しづつ間を開けられだした。ジリジリと差が開いて行く。
しかしちょっと頑張れば未だ手の届く範囲でもある。焦るな焦るな、自分に言い聞かせた。まだまだ先は長い。

目黒林道頂上にある第一チェックポイントに到着。ようやく空が白み始めた。雨は相変わらず強いままだ。チェックポイントのスタッフに先行しているナショナルチームとのタイム差を尋ねる。1分くらいかな? すぐそこですよ。
30分以上上ってきているのに、それだけしか差が開いていないので勝機は確実にある。私達は補給もそこそこに先を急いだ。
三つめの小高いピークを過ぎたら第二チェックポイントの松野南小学校へ向け7kmのダウンヒルの開始。雨は強くなり、轍は川のようになっていた。
砂利、荒れた林道を高速で攻める、攻める。
調子良く半分ほど下った時だった、真新しい鉄製のグレーチングが目に飛び込んだ。直線基調だからそのまま勢いでクリアできると勢いを殺さず突っ込んだ。
次の瞬間、路面に叩きつけられていた。
急いでMTBを起こそうとする、が無情にもそれは叶わなかった。
ハンドルを止める二本止めのステムボルトが破損していた。。。
焦る、焦る。
一緒に下っていたチームメイトも急いで戻ってきて、何とか対処できないか考えた。MTB本体に使えそうなボルトが無いかどうか?
探しても探しても使えそうなボルトは存在しない。機能的なスポーツバイクは余計なモノはそもそも使われていないのだ。
格闘すること数十分、私達Team Hakuba Goryuはレースを降りる決断をした。SHIM0125悔しい、歯がゆい。
何にもまして一緒に頑張ってくれたチームメイトに申し訳ない。
口数少なくとぼとぼと歩いて下って行った。
DSC08960アルティメイトクラス総合優勝は昨年に続きナショナルチーム。
来年はできる事ならこのチームに少しでも近づきたい。DSC08954Team Hakuba Goryuは彼らのフィニッシュする姿を見ながら心に誓ったのでした。