レース当日
スタート1時間半前の朝4時30分にスターティングエリアにMTBを置くことができる。
700人近いライダーが一度にスタートするので、後方に位置すると動き出すまでに暫く時間を要する。上位を狙う、レースを本気を楽しみたい選手は少しでも良いポジションを獲ろうと前方に詰めかける。暫し騒然とした後、選手達が退くと数百台のMTBがずらりと整列している。
毎度おなじみの王滝朝の光景。
今回の私は昨年総合上位だったので最前列を準備されていた。名前をコールされた後、緊張しながら集団最前列に並ばせてもらう。周囲はそうそうたるメンバー。
昨年、私より2分早くゴールしたA氏。昨年はもう少しというとこで、お互い5時間を切れなかった。
スタート前、「今年は絶対5時切りだ!」と誓い合う。
他と競い合うことよりも昨年の自分を超えることがほとんどの選手の目標だ。
霊峰 御嶽山を仰ぎ、選手代表で昨年のチャンピオンがお払いを受ける。いよいよスタートだ。スタート後、最初の4kmの舗装路はパレード走行になっている。まだ皆穏やかな雰囲気で気軽な挨拶や話が聞こえる。林道に突入する。レースが始まる。集団は一挙にペースが上がり、散り散りバラバラになった。標高1400m付近まで上昇すると左手に噴気を上げる御嶽山が見えてきた。5月も末だと言うのに山影には雪がところどころに残っている。オーバーペースにならないように、少し抑え気味に前走者を追走する。王滝の大地は容赦なく体力を消耗させてゆく。見とれそうな大自然の雄大な景色とはうらはらに。2時間ほど経過すると調子が出てきた。少しづつ順位を上げ7、8番手争いを繰り広げる。
そして、結果は5時間10分19秒、総合11位、年代別3位となった。二回のパンクが悔やまれるが、それも全てSDA in 王滝である。受け入れるしかない。
シングルスピード、リジットフォークで参戦した京都在住のN氏。一緒に練習した仲間、九州から一人で遠征してきたH田氏。全員無事に完走。お互いの健闘を称えあう。順位だけではない価値がここにはある。
表彰式が始まる。昨年の自分を超えられなかったことが残念だ。総合上位人の表彰を見るにつけ、また来年挑戦してやる気持ちがふつふつと湧いてきた。
前の自分を超えて、次はこの場所へ。
万全の状態ではないにもかかわらず出走されたプロフェショナルMTBアスリート、池田祐樹選手。
http://yuki.bikejournal.jp/?p=5099
奥様のSayokoさんと 超 戦 し続ける姿勢に感銘を受けます。
次のビッグレースは6月27日イタリアで開催されるUCI MTBマラソン世界選手権。今までの自分をどれだけ超えることができるか?
これからの池田選手の活躍に目が離せません!