2回目の普久川ダムの上りに突入。
集団はまだまだ多いが、半分以上の選手はここで脱落するだろう。
そう言う私も昨年はこの坂の上り切る直前で集団から遅れてしまった。
今年はいかに?18分余りの上り。記録したNPは256W。
今年は少し余裕を持ちながら普久川ダムの上りをクリアーすることができた。
ほっとしたい所だが、ここからがいよいよレースの始まりに過ぎない。
昨年は上り切って右折しての下りで、あっという間に集団が見えなくなった。先頭集団のペースアップに対応するためにじりじりと前方に位置取りする。
私がいる集団は最高速75km/hに達するスピードでかっ飛んで下ってゆく。
そして直ぐに次の振るい落としポイント、学校坂と呼ばれる距離1.8km、勾配7%のパンチが効く坂に突入した。
これ位の坂は得意でもある。5分後半、NP285Wで難なくクリア。
今年は終盤まで残れるかもしれない。昨年の悔しさをバネに一年間頑張ってきた。余裕をもって走れているので嬉しさで自然に笑顔になってくる。
ここから暫くはふるい落とすアタックも無く、平穏に集団は進んでいった。
余裕がある脚を試すように時折集団前方に上がると、百戦錬磨のF氏に「まだまだここはポイントではない、集団後方で脚を溜めた方がイイよ」とたしなめられる。
F氏の見立てによると、今年は生き残っている選手が多すぎ、しかもレベルが例年より高いようだとの話しだった。
さもありなん。後方に目をやるとまだまだ猛者がうじゃうじゃいる。
レースが進むにつれ太陽がギラギラと頭上から照らし出してきた。ボトルの水をグイグイと飲む。
大事な局面で筋肉がケイレンしてしまわないように、水分とミネラルを十分に補給する。途中のフィードゾーンやなだらかなアップダウンで若干のペースアップはあったものの概ね人数は少なくなることなく大集団のまま最終局面に突入してゆく。
青い空と蒼い海。ここだけ見れば南国ののんびりしたサイクリングだ。さぁ、レースは最後の振るい落とし、スタートして130km地点から始まる最終局面の羽地ダムの上りに突入した。距離1.6km、勾配7%。
130km走ってきた脚はそうとう堪える。さっきまで平静を装っていた選手達だが、ゼイゼイ息を荒上げ、脚が残っていない選手は次々に脱落してゆく。
ここまで来たらレースのテクニックや駆け引きというより、単純に地脚がある選手がグイグイ上って行く。
やばい、先頭グループから少し間を開けられてしまった。もう少し、もう少し!
回らない脚を無理やり回し、悲鳴を上げる筋肉に喝を入れながら追走する。
もうちょっと、もうちょっとだから、待ってくれ!
少しずつ離れてゆく先頭グループに念を送る。
羽地ダム湖畔に右折すると、前のグループは姿を消していた・・・
あ、あ、今年はこれで終わりか・・・
しかし、レースは未だゴールではない。
ダムから下りきると残り7kmほどゴールまで平坦になる。遅れた第二集団が10人ほどの集団になり、前のグループの追走を開始する。
上手く集団の先頭交代が機能すると前のグループに追いつくかもしれない。しかし、市民グループの即席のローテーションは機能するはずもなくスピードは上がらなかった。
ツール・ド・おきなわ140kmのゴールまで残り1km。
それぞれの位置取り、それぞれのけん制、それぞれのタイミングでスプリントを開始だ。
結果:http://www.tour-de-okinawa.jp/PDF/2016/005_results1.pdf
4時間5分5秒、21位。
今年で3回目の挑戦、私のツール・ド・おきなわ140kmは幕を閉じた。
一緒に参加したメンバーもそれぞぞれのタイム、それぞれの順位で無事にゴール。概ね皆、目標を達成したようで満足した表情で写真に写る。
昨年までは全くレースになっていなかったが、今年は残り10kmまではレースに絡めた。何が足りなかったのか、それは自分のなかでは分かっている。
一シーズンの集大成として賭ける価値が ツール・ド・おきなわ には有る!
さぁ、来年の ツール・ド・おきなわ に向けてこの冬からまた頑張ってゆこう!
一年は長いようで短いのだ。