小さな橋を渡り、先導者が抜けるといよいよ本当のスタート、レースが開始される。ここから林道へ突入。最初の上り1時間のヒルクライムが始まる。先頭グループ（20人程度）はあっという間に小さくなっていった。 無理をすればあのグループへ追いつくことはできそうだが、先は長い。ここで脚を使い切ってしまっては後半持たなくなると考え、抑え気味に、抑え気味に焦らずレースを開始する。数十分も漕ぐと視界が広がってきた。青い空と遠くに御岳山が見て取れる。レースで無いなら最高のMTBツーリング日和なのにな・・・自分のペースを崩さないように心拍数を確認しながら距離を伸ばす。一つ目のピークを越したあたりから前方の選手が落ちてくる。
最初に飛ばし過ぎたツケだろう。少しずつ、少しずつ順位を上げてゆく。第一チェックポイントを8時04分に通過。
目標していた時刻より4分遅い。このままではヤバイ。少しペダリングに力を込めつつ先を急ぐ。後半が勝負だ。 60km地点の 第二チェックポイントを過ぎると、42kmクラスの選手達と合流するようになる。今までほとんど無人の山中を走ってきただけに、コース上に人影が見えるだけで心も休まる。抜きざまに彼らから声をかけてもらうだけで、走る力が湧いてくる。 73kmの第三チェックポイントを過ぎてからが、体力的にも精神的にも限界に近付きつつあるだけに長い。
未だ上るのか、未だ走らなきゃいけないのか・・・
暑さと疲れのなかでただ無心にペダルを回す。
他のクラスの選手達も辛そうだ。
ゴールまで後少し、頑張れ！
最後のピークを越すと標高1500mからゴールまでダウンヒルの開始。ここで勢いに任せ下ってしまうとパンクしてしまう可能性もあるので、慎重に、慎重に路面を注視しながら下ってゆく。

やったー！　ゴールだ！！
ゴールタイムは5時間17分。
レースは時の運。目標としていたタイムには全く届かなかったが、今の自分の走りを出せたのではと思う。悔しさもあり、満足もある。ゴール後、近くの木陰に倒れ込むように横になり、暫く動けなかった。